賃借人が入居するときに預け入れた敷金は、退去・明渡後に物件のクリーニング代や家賃滞納分等を相殺して賃貸人から賃借人に返還されます。しかし、近年不当にクリーニング代を請求して敷金を返還しないケースが多く見受けられます。このような場合は、裁判手続を経て対応した方が効率的です。
当事務所では、主に下記の流れで対応しております。
1.敷金からの差引代金の調査
敷金からなぜ差し引かれているのか、差し引かれている代金の内訳の調査を行なう必要があります。ここでよくあるケースが事務所等の場合に保証金という名目で全く返還されないケースもあるからです。賃貸借契約書を見ないと判断はできませんが、保証金は新築ビルに入居する場合、建設代金の一部負担という内容のものもあるからです。敷金は家賃の6か月分以内が相場とされており、保証金という名目のみで一括預かりしている場合でも、敷金分と分離することは可能だからです。そして、クリーニング代についても当方に有利な金額の方向で検討する必要があります。
2.配達証明付内容証明郵便を賃貸人の元に発送。
返還の催告をしたことを証する必要がある上に、賃貸人に交渉のテーブルについていただくお願いをする必要があるからです。ここで交渉を開始し、交渉が頓挫した場合は訴訟を検討します。
3.訴訟提起の要否の決定
賃貸人と話がまとまったら、返還を確実なものとするため、和解書を作成します。簡易裁判所に起訴前の和解を申し立てて、効力あるものにするのがベストといえます。和解が成立しなかった場合は、訴訟提起の対応を致します。
4.判決取得、強制執行
勝訴判決を取得したら、賃貸人の財産の差押を行ない、敷金を回収致します。
尚、敷金返還訴訟は、訴額30万円以上のもののみ受託致します。